整骨院の「受付」を施工するときに気を付けたい重要なポイントをご紹介します。
受付って重要?
院内へ入ってすぐの場所に受付を設置することが一般的ですが、どのような重要性があるでしょうか。受付は、「最初」と「最後」に必ず通るところです。そして、「お金」をお支払いする場所であり、院内の大切な「顔」になります。受付さんがいらっしゃる整骨院さんでは受付さんの居心地も考えたいところです。使い勝手はもちろん、先生ももちろん、長時間いる受付さんが勤務したくなる場所を提供したいですね。施工前に5つのポイントをチェック!
POINT1、受付の高さ
医療関係の受付の高さは一般的に床から100㎝を基準とします。それよりも高くすると高級感と品が出ます。低くするとお金を出す位置も低くなるので高級感は低下しやすくなります。高すぎるとご年配の方が困ってしまう事もあるので注意が必要です。院の客層、単価やメニューを考えて受付の高さを設定すると良いでしょう。施工する前に必ず寸法を細かくとり、立体図や3D図面で確認し高さを感じてから受付の高さを決める事が必要です。受付の後ろ側は先生や受付のスタッフが使うスペースですので、事務作業やパソコン作業がし易い高さが良いでしょう。作業テーブルやパソコン代の平均的な高さは床から65㎝程度。床から75㎝程度上げると背の高い先生や体格の良い男性の先生も使用し易くなります。女性の受付さんがいる場合は実際に使用する椅子を考慮して高さの設定をすると毎日の作業が快適になりますね。低くしすぎると患者さんを見た時に見上げてしまうことがないように注意したいところです。
POINT2、カウンターの仕様
受付カウンターは主に2種類の設置方法があります。1つ目は既製品を設置する方法です。既製品で気に入ったものがあればそれを使用することも1つの案ですが、どうしても大きさや仕様に課題が出やすいです。メリットとしては安価に済むことと直ぐに設置が出来ることです。2つ目は造作する方法です。造作するには家具屋さんが制作するケースと、大工さんが制作するケースがあります。オーダーメイドの受付ですので世界に一つだけの受付カウンターが出来ます。また、クリニックで使われている様なカーブを描いたカウンターや、カウンターの上に梁(屋根のようなカウンター)を作ることも出来ます。裏側にはパソコンを置く、カルテ棚を作る、事務仕事をするなど好きな幅で作ることも可能です。女性のお客様がお会計の時にバッグを置く場所もあると嬉しいですね。整骨院はレセプトやカルテ、診察券などの紙を使用するものは多く、印刷物系の用紙なども必要なので書類が沢山。その他にパソコンはもちろんレジ、プリンター、診察券入れ、サインをするスペースなど広いと使い勝手が良くなります。お会計時に他の先生がカルテを出したりパソコンを使用したりと行き違えると良いのですが、テナントによって坪数には限界がありますのでカウンターの仕様はよく時間をかけて設計したいところです。室内履きに履き替える場合は、受付の表面に靴箱を埋め込むことも出来ます。するとデッドスペースがなくなり有効的にスペースを使うことが出来ますね!
POINT3、素材と色
素材は主にカウンターの天板となります。天板を木素材にする・化粧板にする・塗装を加える・石目調にするなど、キャッシュトレーを置く場所でありレセプト用紙への記入などで使用することもある場所ですので素材選びは重要です。また、薄い色だと明るい印象に、濃い色を使うと高級感を演出することも出来ます。オリジナルで造作する場合は、1番上となる天板に良い木材を使用したり、石目や木目のダイノックシートを張ることで好きな柄にすることも可能。また、汚れが目立たないように白系の木材は使わないようにする、又は傷が付きにくく掃除がしやすい化粧板を選ぶなど、毎日使う場所なので素材選びも重要です。よく使われることのある素材をご紹介致します。
①メラミン化粧板
何層にも樹脂を浸透させた紙を重ねて1枚の板にした材料。一般的なテーブルなどで使用されます。柄をプリントする事ができるので様々なものを選ぶことが出来ます。特徴としては傷が付きにくい事と剥がれにくい事。ヒビが入りにくく耐久年数も長い素材です。
②無垢材カウンター
無垢材とは、加工をしない天然の木を使用した材料です。天然の木の模様ですので世界で同じものは存在せず、見た目も木の温もりが感じられるものになります。木目が美しいことが最大の特徴で断熱性も高い物になります。天然のものなので耐久年数は集成材などと比べて短め。
③人工大理天板
見た目は石目の模様ですが人口の為もちろん素材は石ではなくアクリル樹脂やポリエステル樹脂が使われます。水に強く光沢や高級感のある仕上がりになります。内装デザインに合わせて使用するとグッと雰囲気が良くなります。耐衝撃には強いですが、木材と比較すると価格はやや高く重量がある為施工には注意が必要です。
④集成材
最も目にすることが多い素材の集成材。住宅でも店舗でもカウンターで主に使用されます。木材を接着剤で何層にも重ねて1つの板へと加工します。耐久性も高く比較的安価で購入することが出来ます。また、塗装を施すと木の木目に色がついてカウンターとしての雰囲気もよくなります。
POINT4、院のブランディング
受付は他院との差別化を図ることが出来ます。例えば、院名を立体文字で掲載したり、小さな院名看板やロゴを設置したり、間接照明をあてることも出来ます。施術ベッドやカーテンは保健所基準がありますのでどうしても似てくることがありますが、受付カウンターの寸法やデザインは自由です。治療費を頂く際に「ここへ来て今日も満足した!」と感じて頂けるようなカウンターでブランディングしたいですね!拘れるポイントとしは、①院名看板②ロゴ③照明④カウンターの作り⑤素材となります。キャッシュトレーやボールペンを質の高い物にすることもブランディングになります。
POINT5、受付上の明るさ
来院したときも、帰る時も受付を通るのでライティングが重要です。照明は暖色と白色の2種類を使うことが多いのですが受付周りが明るいと患者さんも明るい気持ちで帰ることが出来ます。その為、施工の際に受付の上だけ100ワット以上のLEDを使用したり、レールライトでスポットで明るくしたり、ダウンライトで調光をつけることで自由に明るさを調整する事も可能です。照明もあとから付けるとなると天井裏の配線を通す、天井に点検口をつけるなど施工が多くなり手間も時間もかかることがあるので開業前に予め施工しておくと良いでしょう。
5つのポイントをご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか。1日に何回も使う受付ですので、施術する先生も使いやすく、患者さんも満足して帰ることのできる受付を考えてみるのも良いですね。素敵な院内の「顔」になるような受付ができると毎日の施術も楽しくなりますね!